医療リンパドレナージ(後編)

長峰@副館長

 

以前の記事で、リンパ浮腫の患者さんのための「医療リンパドレナージ」を聞きに行った話を書きました。

 

【どんなことをするのか?】

リンパ浮腫療法士の業務は…………、

①複合的リンパ浮腫療法(スキンケア・用手的リンパ誘導マッサージ・圧迫療法・圧迫した状態での運動療法)の指導と実施

②弾性ストッキングの指導

③日常的なセルフケアの指導

④治療報告書の提出

………までに及ぶそうです。ドレナージで浮腫を排出するだけでなく、日常生活でも浮腫が少なく保ちながら生活できるように指導したり、時

 

には弾性ストッキングの購入のアドバイスをしながら、トータル的に患者さんおサポートしていきます。

 

今回は、①の用手的リンパ誘導マッサージ(医療リンパドレナージともいいます)の感想を書きます。

 

 

【えぇ!こんなにソフトなの!?】

患者義に着替えて、先生に施術していただきました。手のひら全体を優しく大きくあてて、皮膚を動かすようにゆっくりゆっくりと手が動きま

 

す。少し緊張していた身体も心もリラックスして緩んでいくのが分かりました。オイルマッサージのようにさすったり滑らすのではなく、皮膚

 

を動かすような手技は今までに見たことがありませんでした。「えぇ、こんなソフトでいいの?」と思ったのが純粋な感想です。

リンパドレナージの目的は、皮下組織に過剰に貯溜したリンパ液を適切な方向に導き排液することです。リンパは皮膚のすぐ下にあるため、ぐ

 

りぐり押したり強くもみすぎると、リンパが詰まったりつぶれたりしてしまうのでソフトなタッチでおこなわれます。胸部や脇(わき)、腕な

 

ど、それぞれに適した揉み方があって、切除したリンパ節を迂回して健側のリンパ節に流していくそうです。リンパ液の流れに合わせてゆっく

 

りすすんでいくので、心地よく癒されながら受けられます。

私が学校で教わったマッサージとはまったく違い、実際に受けることができて改めて医療リンパドレナージの知識と技術を身に着けたいと決意

 

しました。

 

【次は…】

養成スクールに通い、認定試験をパスするのが次のステージです。リンパドレナージを学べるスクールはいくつかあるのですが、修了試験に合

 

格してセラピストになれます。

セラピストを取得した後は、さらに講習会に参加したり症例報告を重ねると、リンパ浮腫療法士の受験資格が得られます。

最終的にはリンパ浮腫療法士まで取得することを目標に、まずは一歩踏み出します。

資格を取るまでの講義や受験のこと、臨床の現場での実際など色々お話を聞かせていただきました。リンパ浮腫を抱える患者さんは思ったより

 

も多いこと、施術により日常生活を楽に過ごせる方が多いことを知り、やりがいのある施術だと確信しました。

 

実際にリンパドレナージを受けてみると、学校で習ったいわゆるマッサージとはまったく違うものでした。受けてみないと分からないものなの

 

で、とても貴重な経験となりました。リンパは皮下にあるため、圧をかけすぎてはいけないそうです。浮腫を流す順番や方向、圧の加減は専門

 

の勉強をしなければならないのがよく分かりました。

 

心と体はつながっています。身体が楽になることで生活の質が向上し、毎日を健やかにお過ごしいただきたいと願っています。鍼灸もマッサー

 

ジもリンパドレナージも、私たちができることを活かしてお役に立てることが幸せと思っています。