医療リンパドレナージ(前篇)

長峰@副館長

 

【医療リンパドレナージとの出会い】

乳がんでリンパ節を切除した後、リンパ浮腫に悩む知人の話を聞く機会がありました。「病院に行けばリンパ液を抜いてもらえるけれども、毎日行けるわけではないし、浮腫をなんとかしたいけれど、どうしたらいいか分からない…」という話でした。何か自分にできることはないかと思っていたところ、医療リンパドレナージというリンパ浮腫に対する医療的な手技療法があることを知り関心を持ちました。

 

【リンパ浮腫とは】

リンパ浮腫について簡単にご説明いたします。リンパ節やリンパ管の発育不全、または二次的な原因により、リンパ節やリンパ管に圧迫・狭さく・閉鎖などが起こります。するとリンパの流れが滞り、結果、皮下組織内に水分やたんぱく質が過剰に貯まりリンパ浮腫になります。乳がんや子宮がん、膀胱がん、前立腺がんなどの手術によってリンパ節を切除したり、放射線治療の後遺症として発症するケースが多いそうです。

 

最近ではリンパ浮腫外来のある病院も徐々に増えているそうですが、予約が取れにくい状況のようです。リンパ浮腫は治療法がないと言われることもあるそうで、患者さんはどこへ相談に行ったらいいのかもわからず、長い間放置しているケースもあるそうです。

 

【いざ行かん!】

医療リンパドレナージは、一般的に認知されているリンパマッサージとは違うらしいと話を聞いて、どんなものか体験したい!という気持ちが一気に膨らみました。運の良いことに、リンパ浮腫療法士(医療資格)の先生を紹介していただく機会に恵まれ、さっそく館長と二人で川越まで行ってきました。

 

医療リンパドレナージは、美容やエステで行われているリンパドレナージュとはまったく異なります。皮下組織に過剰に貯溜したリンパ液を適切な方向に導き排液することを目的とした医療的なマッサージです。リンパ浮腫療法士は、医師・看護師・作業療法士・理学療法士・マッサージ師など、既存の医療的国家資格を持っていないと取得はできません。また、リンパ浮腫は、やたらに揉んでしまうとかえってリンパ液が詰まってしまい、症状の悪化や痛みが出たりすることがあるそうです。つまり、リンパ浮腫の患者さんには確かな知識と技術をもった施術者のもとで、適切な治療を受けていただくことが重要です。

 

今回、先生のお話しを伺い、実際の施術を受けることにより、私たちはリンパ浮腫というものに対する考え方が一変しました。リンパ浮腫の患者さんのお悩みは深刻であり、それなのに適切な治療を受ける場所はなかなか無いという実情にも驚きました。

そして思いました。リンパ浮腫の患者さんのケアをしたい!、それにより患者さんの生活の質を向上するお手伝いをしていきたい!

そこでスペースワンでは、1~2年後にリンパドレナージの施術を提供できるよう動き始めることにいたしました。講習や認定試験を受けますのでお時間を頂戴することになりますが、途中経過などは随時お伝えしていきます。

 

次回は、実際に医療リンパドレナージを受けた感想を書きます。