東洋医学で人を診る その4

長峰@副館長

 

久しぶりの更新になりました。東洋医学、ことに私が学んでいる一元流鍼灸術では「気一元」に基づき人を診ています。その人の生命そのものを眺め、生命の流れ(変化)を一元の気として見ていきます。存在しているものが第一にあり、それを陰陽や五行といった観点で捉え直して、言葉にして今ここにある人の姿を表します。

 

人は生まれながらに持った生命力があり、外界の変化に反応する力、外界の刺激を受けた時に自分の健康を高める力、外界からの影響を受けても敏感に拒絶反応を起こして適応する力を持っています。これらが基礎構造となって人の生命力の器を作っています。その人が元々どんな器の人なのか、これを【素体】(そたい)といいます。例えば、食べ過ぎるとお腹をこわすとか、食事のあとに寒くなるとか、風邪をひきやすいとか…。

 

私たちが患者さんにお身体のことをあれこれ伺うのは、問診でこれまでの生活習慣や体調の状態を把握しながら、まずどんな基礎構造のお身体なのかを捉えていくためです。そして、これまでの人生の歴史の中の出来事や体調の変化を追いながら、元々の素体がどう変化したのかを考えていきます。